宛名のない手紙。
なんて書き出したらいいかわからない、こんな気持ちも久しぶりで。
一昨日と昨日は、眠る以外の自発的な行為を一切放り出していました。
頭の中にぐるぐると巡るのは、一節の言葉。
始まった頃は、こんなに穏やかにこの恋が終わるなんて、思いもしなかった。
年が明けた頃から、ぼんやりと形を取っていた思いがあって、それを告げたのは、私の誕生日。
今の私が、今までの私とは違うこと。好きなことをして、1日が24時間では足りない、私ではなくなってしまったこと。好きなことはおろか、身の回りのことさえ満足にできなくなってしまったこと。
誰かの気配がないと、1人では眠れなくなってしまったこと。日中も、1人では何をしたらいいかわからなくなってしまったこと。今までの自分を、記憶喪失で失ってしまったように思うこと。
憧れの職場があって、専門職を取って、そこに勤めて、上司や同期や後輩にも恵まれて、明るい未来しかない、努力家の君の側にだけいることが、辛くなってしまったこと。
会えない時間を償うように贈られる贈り物も、笑顔で受け取れなくなってきてしまったこと。
不意に送られてきた写真で、別の女性と写る君の笑顔が、とても眩しく見えるようになってしまったことに、動揺したこと。その女性と歩む未来も、君の道の先にはあるのだということ。
そんな君に決して、私の側にいるために、仕事を辞めてはほしくなかったこと。心から。
2ヶ月悩んで、12キロも体重を落としてしまったこと。
側にいた、7年という月日。
いつか描いた、当たり前のようにあると思っていた、未来のこと。
結婚という選択肢が視野に入ってきた時、長年付き合ってきたカップルが関係に終止符を打つ。
文字にすると、こんなにありふれていて、陳腐だ。どこにでもある話だ。
そんな話が、まさか自分に、私たちの上に降りかかってくるなんて、一体誰が考えただろう。
身の回りにある全てが、君との思い出を持っていて、自分から7年という月日が全て、欠けたようだよ。
いつかの先、きっと君といた未来を想う。
君が子どもを可愛がらないわけがないから。
きっと、子どもを抱いて、大好きなディズニーで英才教育をするんだろう。
奥さんに、記念日ごとに贈り物をするのだろう。
平日の帰りが遅くても、子どもの寝顔を毎日眺めるような、父親になるのだろう。
今も、この先も、願うよ。君に幸あれ。
君の周りの誰よりも、君が、幸せでありますように。